基地引き取りを県外議会で訴え 沖縄主張に理解広がる


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 普天間飛行場の移設問題で、国が県を代執行訴訟で訴える事態を受け、他県議会で政府を批判する意見や沖縄にある基地機能を受け入れるよう求める声が上がっている。一部の地方議会で辺野古移設を容認する動きもあるが、基地問題について日本の自治の在り方が問われているとの沖縄側の訴えにも理解が広がり、基地を引き取ることで沖縄の負担軽減を進めようとの考え方もある。

 4日の奈良県議会代表質問で、革新系会派・創生奈良の川口正志氏は「地方自治を守るため、今回の国の横暴な埋め立て代執行という強権司法手続きは許されない」と国の対応を批判した。
 荒井正吾知事に対し、「国に立ち向かう翁長知事に連帯し、全国知事会として抗議する方向に協力はできないか」と質問した。荒井知事は安全保障の問題と地域の問題が複雑に絡み、解決が難しいとの見解を示し「奈良県知事の立場で意見を申し上げることはすべきではない」と述べた。
 10期目のベテランの川口氏は取材に対し「沖縄の問題という狭い捉え方ではなく、日本全土の大きな問題だ。沖縄、奈良、全国の自治を守るという立場で問題を見詰めることが必要だ」と指摘した。
 7日の大分県議会一般質問では末宗秀雄氏(自民)がオスプレイの訓練拠点を同県の県央飛行場(豊後大野市)に受け入れることを提案し「沖縄だけに負担を押し付け続けるのはどうなのか。負担軽減を行動に移すべきだ。県央飛行場の利用実態からすれば立派な有効活用になる」とただした。
 大分県の諏訪義治生活環境部長は同飛行場が県防災航空隊の拠点であり、民間機利用もあると説明した。その上で「大分県で1998年度から米軍実弾射撃訓練を受け入れ、できる限り負担している」と述べ、協力しているとの考えを示した。末宗氏は自民県連の政調会長を務める。同氏は取材に、県連や会派の考えではなく、独自の意見として一般質問で取り上げたと説明し「沖縄の負担軽減を大分県から始められないかということだ。日本の防衛を沖縄にだけ押し付けておくのは良くない」と話した。
英文へ→Prefectural assemblies nationwide tackle Okinawa base issue