子どもの貧困問題への取り組みを発表したオリオンビールの嘉手苅義男社長は「私自身も経験者。今の子どもたちに同じ思いをさせるわけにいかない」と思いを語った。
旧屋部村(現名護市)出身の嘉手苅社長は、7歳の時に父親が戦地で死亡。戦後、母親1人で残された5人の子どもを育てた。「母の仕事を手伝わないと食事にもありつけない」と外人住宅での庭の草刈りなどをし、勤労学生として家計を支えた。那覇商業高校卒業後、沖縄海邦銀行の前身の第一相互銀行に就職。「大学にも修学旅行にも行けず、学生服さえ買えない。銀行の採用は学生服を借りて面接に臨んだ」と振り返る。
30年前の創立30周年で、ハワイや南米から取り寄せたゴールデンシャワーなどの種を各地に無料で配布。県民や観光客の目を楽しませる熱帯花木の普及につなげた。
オリオンビールは定款で「利益の一部を有益なる社会事業に使うことができる」とうたっていることを強調し「若い人が活躍できる沖縄は創設者具志堅宗精の思いだ」と語った。
英文へ→President of Orion Breweries Yoshio Kadekaru tells his personal story of childhood poverty