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丘陵で「たいせつ」探し 人生にじむ笑顔活写 真和志高 写真甲子園撮影2日目


丘陵で「たいせつ」探し 人生にじむ笑顔活写 真和志高 写真甲子園撮影2日目 忠別川の河川敷で転がり、カメラのセルフタイマー機能を使って自ら被写体になるエスピノーサ・アンジェラ・愛梨さん(左)と佐々木郁也教諭=1日、旭川市
この記事を書いた人 Avatar photo 西田 悠

 【北海道で西田悠】全国18校の高校生が北海道に集結し、写真の腕でしのぎを削る第31回写真甲子園2024本戦は1日、撮影2日目を迎えた。同日から翌2日にかけて行われるファイナルステージのテーマは「たいせつ」。真和志高校の3人は、旭岳や十勝岳など道中央部に連なる「大雪山(たいせつざん)」のふもとの丘陵地帯を駆け巡った。

 真和志高の松長洋汰郎さん(3年)、村山碧さん(同)、エスピノーサ・アンジェラ・愛梨さん(2年)は午前のファーストステージ公開審査で、審査員から「生真面目に撮っている印象を受けた」と批評された。

カボチャを大切に育てる農家の井沢春雄さんを被写体にシャッターを切る真和志高校のエスピノーサ・アンジェラ・愛梨さん=1日、北海道東神楽町

 エスピノーサさんは「もう少し遊び心を取り入れよう」と決意。個別で撮影場所を探索するも、被写体が定まらないまま制限時間が迫り、焦りを見せ始めた。そのとき、東神楽町で辺り一面のカボチャを育てる農家の井沢春雄さん(78)に出会った。

 妻に先立たれるも、一人でカボチャを「大切」に育てているという井沢さんに接したエスピノーサさん。「できるだけ笑顔で楽しんでいる様子を収めたい」と、会話を弾ませながらシャッターを切り続けた。

 「長い間生きたおじいちゃんの細かいシワには、かっこいい渋さがある」と語るエスピノーサさんは「悔いのない写真が撮れた」とこの日一番の笑顔を見せた。