子ども医療費 南風原町が窓口負担ゼロに 来年1月から


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 【南風原】南風原町が子どもの医療費の窓口負担をなくす「現物給付」を、来年1月にも実施する方向で県と調整していることが14日、分かった。実現すれば県内初の取り組みとなる。同日開会の南風原町議会9月定例会で城間俊安町長らが明らかにした。町は現物給付の実施に向け、医療費助成システムの改修費281万7千円を補正予算として同定例会に提案した。

 子ども医療費は県から2分の1の補助が出るが、県の補助要項では現物給付に関する取り扱いが定められていない。このため町は現物給付の場合でも補助金が出されるよう県に要請している。県健康長寿課の担当者は「現物給付に補助を出すには要項の改正が必要となる。公正に取り扱う必要があるため、現在対応を検討している」と話した。

 子ども医療費の無料化を実施している市町村の多くは利用者が医療機関の窓口で一度医療費を支払い、後日払い戻しを受ける「自動償還」という方式を採用している。「現物給付」の場合、利用者が医療費を立て替える必要がなくなり、負担はなくなる。

 町では現在、子ども医療費について中学卒業まで通院、入院ともに自己負担分を助成している。現物給付を実施する際も、医療機関を限定せずに実施したい考え。城間町長は琉球新報の取材に対し、「現行制度では一度窓口で医療費を支払う必要があり、困窮世帯の中には手持ちがなくて受診を断念する人もいる。本当の意味で貧困対策に取り組むなら現物給付が必要だ。これが実現できれば重病化に歯止めがかかり、結果的に医療費の抑制にもつながると考える」と現物給付導入の必要性を訴えた。