文化の創造発展担う 県立芸大開学30周年


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県立芸大の開学30周年に合わせた作品「交響的断章~Sui-gushiku」を演奏する学生ら=22日、那覇市の県立芸大奏楽堂ホール

 今年で開学30周年を迎えた県立芸術大学(比嘉康春学長)は22日、那覇市の同大奏楽堂ホールで開学30年記念式典・記念演奏を開いた。式典には大学関係者や卒業生ら200人余が出席し、30年の節目を祝った。

 式典は冒頭、音楽学部琉球古典音楽コースの奏楽「かぎやで風節」が演奏された。あいさつした比嘉学長は「30年の教育研究の蓄積を基に、これからも沖縄の伝統芸術の継承、新しい芸術文化の創造発展を担う人材の育成、開かれた大学づくりに一層努めたい」と述べた。

 翁長雄志知事は「沖縄の歴史風土で培われた価値観と、グローバルな価値観を併せ持つ創造的な芸術文化の形成、発展を担う人材を育成してほしい」と期待を込めた。

 式典では記念事業を支援した企業を代表し、琉球物流の大城毅社長、開学時から貢献した元県立芸大参与の上原正功氏(82)に感謝状が贈られた。設置準備室から携わっていたという上原氏は「県民文化を振興するための土台が必要と創設された。30年を迎え感無量だ」と話した。

 式典後の記念演奏では、開学30周年に合わせ近藤春恵同大教授が作曲した作品「交響的断章~Sui-gushiku」が演奏された。学生や教員らでつくる県立芸大オーケストラ、ヴォーカルアンサンブル、琉球古典音楽コースの三線が、首里城をモチーフにした美しい音を響かせた。