東村高江、観光バス30分足止め 警察、停止車両を選別


この記事を書いた人 金城 美智子
東村高江で、県道70号を北上中の観光バスの通行を規制する警察官=7日午後3時ごろ(乗客提供)

 米軍北部訓練場の新たなヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)建設に伴い、工事車両がゲート内に入る際、警察が交通規制している東村高江の県道70号で7日午後3時ごろ、北上していた観光バスが約30分にわたり足止めされた。このバスのほか数台の乗用車が停止させられた。一方検問後、通行させる車も上下方向で多数あった。県警は4日、本紙の取材に対し車両を選別して(抗議参加者を)とどめ置いていると回答している。弁護士からは「基本的人権の侵害だ」と批判の声が上がっている。

 観光バスを止めた警察官は、乗客からバスを止める根拠や選別する基準や理由を問われても答えなかった。バスには沖縄戦や米軍基地問題を学ぶために、長野県から訪れた団体客が乗っていた。瀬長亀次郎さんにちなんだ「不屈」と印刷された衣服を着ていた人もおり、警察官に「反対派」と判断された可能性がある。

 横田達弁護士は「危険な行為をしている人を止めるならともかく、していない人を止めるのは予防拘禁であり、基本的人権の侵害だ」と指摘。「権力側が怪しいと思っただけで人の自由を奪うことは恐ろしいことだ」と厳しく批判した。

 県警は「公共の安全と秩序の維持のため、各種法令に基づき必要な措置を講じている。当該大型バスは、通過することが物理的に困難だった」と説明している。
 バスの乗客で弁護士の毛利正道さん(67)は「通行権、人格権を侵害している」と憤った。