「数学 楽しいよ」 NPO・佐々木さん主宰 教え合い直感育む


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
一つの問題に取り組む数学研究会の参加者と佐々木敏雄代表(左端)、佐々木陽悠副理事長(右から2人目)=16日、宜野湾市民図書館

 【中城・宜野湾】毎週水曜日、宜野湾市民図書館の会議室で「数学研究会」が開かれている。数学好きの中高生らが集まり、問題を解いている。活発な意見交換が行われ、正解を導き出すとハイタッチで喜び合う。会はNPO法人数学・科学技術推進協会MathMathGoodが2014年から開いている。佐々木敏雄代表は「数学を楽しんでほしい」と、問題に取り組む生徒を見てほほ笑む。

 参加者が挑んでいるのは算数オリンピックの問題集だ。佐々木代表は「直感とひらめき、思考力を育てることができる」と狙いを語る。難易度が高く、全員が問題を解けるわけではないが、解けた人が解けない人に教える。納得できなければ「どうして」をぶつけ合う。議論は家に帰ってもメールや電話で続くこともある。

 会の取り組みが実り、佐々木代表の息子で副理事長の佐々木陽悠さん(14)=中城中3年=が九州・沖縄地区の「第20回ボランティア・スピリット賞」のブロック賞に輝いた。陽悠さんは「最初は自分が教えられるか不安だったが、今は『楽しい』という言葉しか出ない。数学の面白さを伝えたい」と目を輝かせる。

 1年ほど前から通う新城与主呼(よしゅあ)さん(16)は「最初は数学は苦手だったが、解けなかった問題が解ける喜びに魅了された。複雑な数式が一つの答えになる美しさがいい」と語る。「ここは数学についてたくさん語れる場所だ」と居心地よさそうだ。

 同図書館の辻純一館長は「地域の人々をつなぐのも図書館の役割だ」と語る。佐々木代表は「全県的に広げていきたい」と意欲的だ。