名優に負けない個性 新作「変魚路」の高嶺剛監督


この記事を書いた人 金城 美智子
映画「変魚路」が完成し試写会で舞台あいさつした高嶺剛監督=11月29日、那覇市の桜坂劇場

 11月29日に桜坂劇場で開かれた新作映画「変魚路(へんぎょろ)」の完成披露試写会で舞台あいさつに臨んだ高嶺剛監督。のっけから「この映画はねじがちょっと外れている。だからいろんなものが入り込んでくる。もしくは出て行く」と独特の世界観を語った。タイトルについても「単に言いやすいからとりあえず付けた。『意味は何』と言われてもあまり…」と苦笑い。

 主演の1人は「パラダイスビュー」以来、高嶺映画に何度も出演している平良進さん。「米国の俳優ウォーレン・オーツのように平良さんが映っているだけで非常に安心するのが魅力」と信頼を寄せる。強烈な脇役・川満勝弘さんについても「『私、ここにいる!』という感じでアップに堪えられる迫力は彼しかない」と強調した。

 実は高嶺監督も神秘的な「ヒージャー主(スー)」役で出演している。「ヤマトで(ヒージャー主の)映像を合成する時にウチナーンチュは僕しかいなかったから、自分で済むならと思った」と説明したが、平良さんは「あの役は高嶺監督しかできない」と絶賛する。強烈な個性で名優たちに引けを取らない存在感を示している。

※2016年12月9日付本紙文化面掲載