米軍、誤った日程を伝達 うるま降下訓練、県が抗議


この記事を書いた人 志良堂 仁

 うるま市津堅沖で12日に米軍が無通知でパラシュート降下訓練をした問題で、訓練区域を管理する在沖米海兵隊は13日、琉球新報の取材に「仮通知の手続きで日程のミスがあった」と説明した。米軍によると降下訓練を12日に実施する予定だったが、13、14日に実施すると日本側に誤って通知した。一方、県はSACO(日米特別行動委員会)最終報告に沿って、伊江島だけで降下訓練を実施するよう求めており、県の要求に反する形で訓練を強行していた。県は13日、池田竹州基地防災統括監が沖縄防衛局の伊藤晋哉企画部長に電話で抗議した。

 池田氏は抗議で「漁業者をはじめ県民の安全・安心を脅かすもので、無通知での降下訓練は大変遺憾だ」とし、原因究明と再発防災策の策定に努め、公表するよう求めた。その上で「降下訓練はSACO合意に沿って伊江島で行うよう配慮してもらいたい」と求めた。

 訓練を実施した米空軍は、訓練内容や伊江島で降下訓練を実施しない理由について、13日も琉球新報の質問に回答していない。

 沖縄防衛局は13日、県やうるま市など関係機関に、無通知の降下訓練実施について「通知の不備があった」と説明した。県などによると「不備」の具体的な内容の説明はなかった。県幹部は「降下訓練時には周辺を民間の船が通っていたと聞いた。通知の間違いでは済まない」と反発した。

 米軍は2015年8月にも津堅沖でパラシュート降下訓練を無通知で実施した。その際も「事務的ミスがあった。謝罪したい」としていた。沖縄防衛局は13日、中嶋浩一郎局長がうるま市役所を訪ね、島袋俊夫市長に陳謝した。県への訪問はなかった。