迷子の男児救い1時間てくてく 女子中学生4人


この記事を書いた人 平良 正
迷子の男の子を往復約2時間かけて徒歩で家まで送り感謝状を受け取った(右から)新垣美里さん、金城梨李さん、大城凜華さん、桃原清花さん=2月28日午前、東風平中学校体育館

 【八重瀬】迷子の6歳の男の子を下校途中に見つけ、往復約2時間かけて徒歩で家まで送り届けた東風平中学校(大城盛幸校長、752人)の3年生の女子生徒4人に2月28日、糸満署(西里博明署長)から感謝状が贈られた。同日午前に開かれた全校集会の中で西里署長から感謝状を受け取った4人は「当たり前のことを当たり前のようにしただけ。感謝状はめっちゃびっくりしたけど、うれしい」と恥ずかしそうに笑った。

 親身になって迷子を家に送ったのは、桃原清花さん(15)、大城凜華さん(15)、金城梨李(りり)さん(15)、新垣美里(みり)さん(15)。

 同じ塾に通う4人は2016年12月15日、たまたま一緒に下校し、同町東風平の塾の前でおしゃべりをしていた。大城さんが泣いている男の子を見つけ「どうしたの?」と声を掛けた。

 金城さんが「おうちどこ?」と聞くと、男の子があっちと指を指したので「そのまま連れて行こう」と4人で男の子に付き添った。

 同町東風平から同町新城まで片道約1時間を徒歩で送った。

 男の子のお母さんが後日お礼で学校を訪れ、4人の親切な行動が分かった。男の子は1人で遊んでいるうちに道に迷い、帰れなくなったという。

 桃原さんは「男の子を家に送ったことで感謝状をもらい、びっくりした。ただ一緒に歩いただけ」とサラリと話す。

 西里署長は「困った人を助けてあげる心を皆さん持っていると思うが、実際に行動したことが素晴らしい」と4人をたたえた。