100年前の沖縄へ 「ウィルソン展」が開幕


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E・H・ウィルソンが100年前に撮影した貴重な作品が展示されている企画展「ウィルソンが見た沖縄~琉球の植物研究史100年とともに」=8日、那覇市おもろまちの県立博物館・美術館

 県立博物館・美術館企画展「ウィルソンが見た沖縄~琉球の植物研究史100年とともに」(主催・県立博物館・美術館、一般社団法人沖縄美ら島財団、共催・琉球新報社)が8日、那覇市おもろまちの同美術館で開幕した。屋久島のウィルソン株で有名な英国人プラントハンター、E・H・ウィルソンが1914年に屋久島、17年に沖縄をそれぞれ訪れた際に撮影した計51枚の大型写真を展示している。10月15日まで。

 開会式が8日開かれ、米国のハーバード大学でウィルソンの写真を発掘した作家でウィルソン研究家の古居智子さんが、各写真の特徴を解説。古居さんは、ウィルソンが残した「松は琉球の誉れである」という言葉とともに、後に普天間飛行場に接収されたリュウキュウマツ並木などを紹介した。多くの来場者が那覇港を背景にした垣花の街並みや、当時クジラ漁が行われていた名護湾の風景などに足を止め、環境や生活文化の変化を重ねながら100年前の沖縄に思いをはせた。
 「ウィルソンの沖縄100年の記憶の旅路」と題して9日午後2時から同館講堂で古居さんによる文化講座が開かれる。