キングス 新年連勝 島根に77―68 Bリーグ第27・28戦


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 プロバスケットボールBリーグ1部の琉球ゴールデンキングス(西地区1位、20勝7敗)は2日、沖縄市民体育館で島根スサノオマジック(同地区6位、7勝20敗)に77―68で勝利し、ホームで2連勝。西地区首位をしっかりとキープしている。キングスは出だしは足とボールが動く攻撃で19―12とリードするも、島根の攻撃への切り替えの速さと、外国人ビッグマンの得点力に押され、後半に追い付かれ、逆転される場面もあった。それでも、全員が体を張ったプレーを見せ、残り4分を切った最終盤に引き離し、77―68で振り切った。1日の島根戦は85―71で快勝した。キングスの次戦は1月19、20の両日、大阪府の府民共済SUPERアリーナで、大阪エヴェッサとアウェー2連戦を行う。(観客3655人)

キングス 21勝7敗
77―68(19―12,17―19,16―19,25―18)
島根 7勝21敗

 【評】キングスは第1Qはうまく攻撃が回るも、第2Qは島根の外国人ビッグマンのインサイドでのパワーに押されて反撃に遭い、前半を36―31で折り返した。第3Qに入ると一進一退の攻防となり、一時、逆転を許したが、ルーズボールに飛び込んだり、1対1でファウルを誘ったりと泥臭いプレーを続け、試合最終盤で引き離した。

◆こういう試合を勝てて良かった

 佐々宜央HC(キングス)の話 前半、ソフトに入ってしまい、第3Qまでもんもんとしたが、第4Qに石崎巧がギアを上げてくれた。こういう試合を勝ち切れたのは良かった。

◆次につながるゲーム

 鈴木裕紀HC(島根)の話 40分間、選手はいいファイトをした。負けたものの、次につながるゲームだった。リバウンドやルーズボールで差が出てしまった。守備も交代がきかないなか、あと一歩が出なかった。

◆第4Q、スイッチ入る 個々が能力フル回転

 第3Qで一度逆転されたキングスだが、第4Qにリバウンドやルーズボール、1対1の泥臭いプレーなどでスイッチが入ると、チームのエンジンがフル回転。ゾーン守備も相手の勢いを抑え、「勝ちながら勉強できた」(岸本隆一主将)試合となった。

 出だしはボールがうまく回り、ピック&ロールなどシンプルなプレーが光ったが、島根に対応されると、状況判断に迷いが生じ、第2、第3Qのみの点数では競り負ける展開へ。

 第4Q、佐々宜央HCが常々求めてきた「クリエーター」としての能力を各選手が体を張って表現した。まずは石崎巧。広い視野でヒルトン・アームスロングのダンクや田代直希の3点弾をアシスト。その後は、ハッサン・マーティンがルーズボールに飛び込み、さらにヒルトンもパワーあふれる個人技を見せ、島根のリズムを乱した。

 「勝負での駆け引きは好きな方」と語る佐々HCが指示したゾーン守備が島根の連係も抑えると、9アシストの岸本が味方とファンを勢い付かせていった。チームが最終盤に奮起するまで、鍵となったのは田代直希だ。要所の3点弾だけでなく、リバウンドでも力を発揮し続け、ハードワーカーぶりを見せた。

 4日の天皇杯ファイナルラウンドに勢いを付けた。田代は「今日以上にタフな試合になる。高くマインドセットすることが大事になる」と日本一を目指し気合を入れた。(嘉陽拓也)

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<1日の試合>
キングス 85 16―15 71 島根
20勝7敗   24―21    7勝20敗
        27―12
        18―23