「一写入魂」で沖縄県知事賞 あづま寫眞舘・東邦智さん 仲良い家族ぱちり


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県知事賞を受賞した東邦智さん=名護市大中の「あづま寫眞舘」

 【名護】沖縄県名護市の東邦智さん(32)の写真作品「我が家の一年生」が17日、県写真文化協会主催の第51回写真コンテストで、163点の応募の中から最高賞にあたる県知事賞に輝いた。東さんは「亡き父に報告したくて、県知事賞を狙っていた。受賞できてうれしい」と喜んでいる。

 市大中で「あづま寫眞舘」を営む東さん。受賞作の「我が家の一年生」は常連で市内に住む具志堅道(わたる)さん一家4人を写したものだ。「いつも一緒にいる仲の良い家族で、その雰囲気を表現した」と説明する。

 「あづま寫眞舘」は1937年創業の県内でも有数の老舗で、東さんはその5代目店主を務める。専門学校や県外の写真店勤務を経て、2008年から同写真館でシャッターを切る。店は昨年亡くなった父・邦彦さん(享年67)から引き継いだばかりだ。「(何百枚も撮影できる)デジカメを使っているが、フィルム時代から写真を撮ってきた父から『一写入魂』の姿勢を学んだ」。

 デジカメやスマートフォンの普及で写真を手軽に撮影できる時代だが、子どもの成長の節目や家族の記念を記録しようと写真館を訪れる人は少なくないという。百日記念や七五三、成人式と写真を撮る常連客もいる。東さんは「写真は家族皆で成長を共有できるのが魅力だ」と力説する。

 父の邦彦さんも全国規模のコンテストで入賞するほどの実力者だった。東さんは「写真はお客さんと一緒に作っていく作品。楽しみながら仕事をして、連覇を目指したい」と意気込みを見せた。

県知事賞に輝いた東邦智さんの写真「我が家の一年生」