会派おきなわ「オール沖縄」から離脱も 知事選 玉城氏“指名”音源に疑義


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 沖縄県議会与党の会派おきなわは20日、8日に死去した翁長雄志知事が残した後継に関する音声データに疑義があるとして、音声が開示されるまでは、知事選の人選を進めている調整会議に出席しないことを同会議の照屋大河議長に伝えた。音声を聞いたという新里米吉県議会議長に対し音声の開示を求めたが、新里氏は開示を拒否した。おきなわの平良昭一幹事長と赤嶺昇県議は記者団に対し「オール沖縄」勢からの離脱を示唆した上で、開示しなければ、与党が擁立する方針の玉城デニー衆院議員(58)を支援しないことを示唆した。

 会派おきなわの動きに対して照屋氏は「音声の開示については調整会議に権限はない。会派おきなわの取り扱いについては協議したい」と述べるにとどめた。

 翁長氏が残した音声は17日夜に、遺族関係者から新里氏に伝えられた。与党関係者によると、翁長氏の音声を直接確認したのは、調整会議のメンバーでは新里氏だけ。新里氏は19日、記者団に音声の取り扱いについて「『遺言』という言葉は使わないでほしい。(知事は)遺言として(音声を)取ったわけではない。(後継)『指名』という(報道の)表現も強く、知事は(2人に)期待するというか、立候補できないかという内容だった」と話した。

 平良氏は開示を求めている理由について、遺言ではないことや遺族からの情報提供ではないことなどを挙げた。その上で「検証する意味でも音声を開示すべきだ。決して玉城氏を否定しているわけではない。きちんとした環境整備を進める上で必要な作業だ」と語った。