芸能・文化

伝統の音楽 舞い歌う つる語るⅤ 唄者、舞踊家ら共演

「加那よー」で共演する(左から)よなは徹、真境名由佳子、仲宗根創=10日、浦添市の国立劇場おきなわ

 唄者のよなは徹が監修・構成を務める公演「つる語るⅤ~継がれ継ぐ歌 心 形~」が10日、沖縄県浦添市の国立劇場おきなわで開催された。島々の唄者、舞踊家が垣根を超えて共演し、タイトル通り“弦(つる)で語り合う”舞台となった。プログラムの一部は即興にし、唄者ならではのライブ感で楽しませた。

 琉球舞踊の地謡は琉球古典音楽の奏者が務めることが多い。今回は沖縄民謡唄者の仲宗根創も地謡に挑戦し、真境名由佳子が踊る「加那よー」ではよなはと交互に歌った。洗練された声のよなは、若手ながら渋い声の仲宗根が個性を発揮し、艶(つや)のある踊りを引き立てた。

 玉城盛義による舞踊「波平大主道行口説」では2人が力強く斉唱し、演舞を後押しした。

 共演は芸能だけにとどまらない。よなはの太鼓と空手家・長嶺朝一郎の古武術で「セッション」を試みた。切れのある演武と火花を散らすように、迫力の演奏を聴かせた。


長嶺朝一郎(右)の演武に合わせて太鼓を打つよなは徹

 ソロのコーナーでは仲宗根がおはこの恋歌「遊び天川」を歌った。歌詞の「深く想てぃ給(た)ぼり」の「深く」にたっぷり思い入れをして観客を沸かせた。

 沖永良部民謡の唄者・前田博美は親の愛を描く「いちきゃ節」で包み込むような歌を聴かせた。一転して「酒(サイ)を持ってこい」と歌う「サイサイ節」では、にぎやかでどこかかわいらしさもある歌声で楽しませた。

 八重山民謡唄者の伊藤幸太は「とぅばらーま」を歌った。「全島とぅばらーま大会で優勝してから、かえって歌うのが怖くなった」と苦笑いするが、伸び伸びとした味のある歌唱を届けた。

 終盤はよなは、伊藤、前田、仲宗根の4人が島々に伝わる「稲しり節」と「スンサーミー」の類歌を歌い、それぞれの違いや共通点が感じられた。その他の出演は仲村渠達也(箏)、横目大哉(三線・笛)、賀数さやか(太鼓)。県文化振興会主催の「かりゆし芸能公演」の一つとして開催された。



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