【石垣】旧盆入りウンケーの23日、沖縄県石垣市内の各地で八重山の伝統行事「アンガマ」が行われた。グソー(あの世)からの使いとされるウシュマイ(翁=おきな)とンミー(媼=おうな)が、花がさをかぶったファーマー(子孫)を引き連れて集落の各家庭を回った。歌や踊りをささげて祖先を供養し、子孫繁栄を願った。
市登野城の冨永浩吉さん(62)宅には午後7時ごろ、アンガマの一行が訪れた。アンガマを一目見ようと、親族のほか多くの地域住民や観光客も詰め掛けた。
ファーマーの踊りの合間には、ウシュマイとンミーが甲高い声でスマムニ(八重山の言葉)を交えた独特の珍問答を披露。子どもたちからの「どこで生まれてどこで育ったの」という質問には「グソー生まれ、登野城育ち。一緒にグソーに行く?」と回答して子どもたちから「嫌だ」との言葉を引き出し、笑いを誘った。
4年ぶりにアンガマを呼んだという冨永さんは「親父もずっとアンガマをしていたので、良い供養になったと思う」と笑顔で話した。