新八重山病院が船出 来月開院 「地域の医療拠点に」


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10月に開院する県立八重山病院=16日、石垣市真栄里

 【石垣】10月1日に移転開院する新しい沖縄県立八重山病院の開院式典と関係者内覧会が16日、石垣市真栄里の新病院で開かれた。関係者ら約230人が参加し、八重山圏域の基幹病院の新たな門出を祝った。一般外来は2日から開始する。

 新病院は鉄筋コンクリート造地上5階建てで、敷地面積が現病院の約1・6倍となる約4万平方メートル、延床面積は約1・4倍の約2万3200平方メートルとなる。病床数は302床。診療科は24科で、歯科口腔外科を新設した。536台分の駐車スペースがある。

 総工費は約137億円、医療機器購入などを含めた総事業費は約164億円。建物は6月28日に完成した。入院患者の移送を含めた引っ越し作業は9月30日に実施する。

 高度医療に対応するため、県立病院で初めて320列マルチスライスCTを導入するなど高度な医療機器や検査システムを導入。急性期医療を担う地域の中核病院としての機能を強化するため、GCU(新生児治療回復室)を新たに整備したほか、ICU(集中治療室)やHCU(高度治療室)などを増床した。

 開院式典で富川盛武副知事(謝花喜一郎副知事代読)は「これまで以上に地域の医療拠点として機能するとともに、ライフラインとして八重山の振興に大いに寄与すると考えている」とあいさつ。中山義隆石垣市長も「八重山圏域内で完結できる医療提供体制がより一層推進されることを期待する」と述べた。

 我那覇仁県病院事業局長は「新たな病院の建設は八重山郡民の皆さんの願いだった。素晴らしい設備を導入したので、地域の拠点病院として最新の医療を提供したい」と話した。