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ハマス幹部 隠れ家破壊 イスラエル軍 交渉再開 原則合意か


ハマス幹部 隠れ家破壊 イスラエル軍 交渉再開 原則合意か パレスチナ自治区ガザに展開するイスラエル軍の戦車=30日(ロイター=共同)
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 【エルサレム共同】イスラエル軍は29日、パレスチナ自治区ガザ北部のガザ市近郊で、イスラム組織ハマスのガザ地区トップ、シンワール指導者の隠れ家の一つを発見し、破壊したと発表した。隠れ家は集合住宅で、この数週間で見つけたという。軍はシンワール指導者が10月7日のイスラエルへの奇襲を首謀したとみて行方を追っている。
 米ニュースサイト、アクシオスは29日、複数のイスラエル当局者の話として、ハマスが最大1カ月の戦闘再休止と引き換えに、拘束する人質40人以上を解放する交渉の再開で「原則合意した」と報じた。仲介役を務めるカタールがハマスの意向をイスラエルに伝えたという。ただ双方の意見の隔たりは依然大きいとみられ、交渉再開につながるかどうかは不透明だ。
 隠れ家の集合住宅は深さ20メートル、長さ218メートルの地下トンネルにつながっていたという。軍はハマス幹部らがトンネルを使っていたとみられると主張。集合住宅は「長く、枝分かれしたトンネル網の一部だ」と指摘した。
 軍は30日もガザ北部ジャバリヤや中部ヌセイラト難民キャンプ、南部ラファ、ハンユニスで攻撃を継続。ガザ保健当局によると戦闘のガザ側死者は2万1507人。レバノンとの国境でも軍と親イラン民兵組織ヒズボラの交戦が激化し、軍報道官は29日、レバノン南部のヒズボラ拠点を「戦闘機や戦車などで広範囲に攻撃した」と表明した。
 ロイター通信によると、南アフリカは29日、国際司法裁判所(ICJ)に対し、イスラエルによるハマス掃討がジェノサイド条約の義務違反に当たると宣言するように要請。ガザでの軍事作戦を停止するようイスラエルに命じる暫定的措置を講じるように求めた。
パレスチナ自治区ガザに展開するイスラエル軍の戦車=30日(ロイター=共同)