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中国政策巡り正面対決 台湾総統選 与野党候補が討論


中国政策巡り正面対決 台湾総統選 与野党候補が討論 台湾総統選候補者のテレビ討論会会場で記念撮影する(左から)民主進歩党の頼清徳氏、国民党の侯友宜氏、台湾民衆党の柯文哲氏=30日、台北(中央通信社=共同)
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台湾総統選候補者のテレビ討論会会場で記念撮影する(左から)民主進歩党の頼清徳氏、国民党の侯友宜氏、台湾民衆党の柯文哲氏=30日、台北(中央通信社=共同)
 【台北共同】来月13日の台湾総統選を控え、与党、民主進歩党(民進党)の頼清徳副総統(64)、対中融和路線の最大野党、国民党の侯友宜・新北市長(66)、台湾民衆党の柯文哲・前台北市長(64)の3候補による唯一のテレビ討論会が30日、台北で開かれた。中国との衝突リスクを減らす方策を巡り、与野党候補の主張が真っ向からぶつかった。
 選挙戦をリードする頼氏は「台湾の生存にとって最大の脅威は中国だ」と表明。「国防、経済、民主主義陣営との協力」の強化で中国に対抗する考えを示し、3候補の中で自身の政策が「(中台衝突の)リスクが最も低い」と主張した。
 頼氏を追う侯氏は、蔡英文政権の外交路線の継続を強調する頼氏に対し、蔡政権下で中台の交流が途絶え「中台が世界で最も危険な場所」と呼ばれるようになったと強調。抑止力向上とともに、中華民国(台湾)憲法の下で中国との対話を進めることで初めて「リスクが低減」すると訴えた。
 柯氏は、頼氏が過去に「実務的な台独(台湾独立)工作者」と自称するなど独立志向の強い発言をしていたことを問題視。頼氏は「台独」の意味は「(中台が)互いに隷属しない」ことだと説明し、その現状を維持していくと表明した。
 討論会では侯氏と柯氏が、若者の低所得や不動産価格の高騰を民進党政権の「失政」と主張し、政権交代を求める場面も目立った。
 選挙戦ではこれまで3候補が順に意見を述べるテレビ政見発表会を中央選挙委員会が開いているが、互いに質問をぶつけ合う討論会は今回が最初で最後。討論会は台湾の主要メディアが共催した。