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100年前の看板 老舗から盗難 京都の書道用具展


100年前の看板 老舗から盗難 京都の書道用具展 書道用具店「香雪軒」の、筆の形をした看板(中央)=京都市中京区(同店提供)
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 谷崎潤一郎などの文豪が通った江戸末期創業の書道用具店「香雪軒(こうせつけん)」(京都市中京区)で、約100年前から店頭にかけられていた木製看板が何者かに盗まれた。5代目店主の長岡輝道さん(65)は「長年お客さんに親しまれてきた大切な看板。早く返ってきてほしい」と困惑している。7月にも近くの老舗で同様の被害があり、京都府警が捜査している。
 同店によると、看板は長さ約70センチ、幅約20センチで筆の形をしており、営業中は軒先につるしていた。12月26日、閉店前の午後6時半ごろに長岡さんの息子が客を見送る際に盗まれていることに気づいた。そばには取り外す際に踏み台に使われたとみられるプラスチック製の箱が置かれていた。
 近くでは7月、江戸前期から続く木版印刷の老舗「貝葉(ばいよう)書院」の店頭に約130年前からあった看板が盗まれる被害があり、府警が関連を調べている。