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「次の人生始まる」笑顔 変更認められた臼井さん


「次の人生始まる」笑顔 変更認められた臼井さん 性別変更が認められる決定を受け、記者会見する臼井崇来人さん=7日午後、岡山市
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 生殖能力をなくす手術を受けず戸籍上の性別変更が認められた臼井崇来人さん(50)が7日、岡山市内で記者会見し「パートナーとの結婚に向け前進した。家族に感謝を伝えたい。次の人生が始まるような気分」と喜びを語った。会見冒頭では代理人弁護士から家裁の決定文を受け取って「性別の取り扱いを女から男に変更する」と自ら主文を読み上げ、「感慨深いですね。言葉にならない」と笑顔を見せた。
 岡山県新庄村で農業を営みながら女性のパートナー(46)とその息子(13)と暮らす。性別変更が認められたことで、長年の願いだったパートナーとの結婚も現実的になった。
 臼井さんは、幼い頃から女性として扱われることに違和感があった。性同一性障害と診断され、ホルモン治療を受けたが、卵巣の摘出手術は受けていない。「手術をしなくても、あなたの性別はあなたの言うとおりだと言ってくれた」と決定を受け止めた。「(自分と)同じように苦しんでいる人には、思うように生きてほしいとエールを送りたい」と話した。
 生殖能力があることで認められなかった前回の申し立てから7年。「社会は変わったと感じた。大きな進歩で胸を打たれる」と話し、涙を見せる場面もあった。
 会見に同席した代理人の大山知康弁護士は「男性から女性に変わりたい方は手術を受けなければいけないという差別的な問題点が残されている。外観要件も違憲としてほしい」と訴えた。