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「世界一危険、常態化」 普天間爆音原告 別訴訟の国主張引用


「世界一危険、常態化」 普天間爆音原告 別訴訟の国主張引用 米軍普天間飛行場の閉鎖・返還に向けて、ガンバロー三唱する第3次普天間爆音訴訟団の関係者ら=8日午後、沖縄市知花
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 米軍普天間飛行場周辺の住民5875人が、米軍機の実質的な飛行差し止めや損害賠償を国に求める第3次普天間爆音訴訟の第9回口頭弁論が8日、那覇地裁沖縄支部(足立堅太裁判長)で開かれた。原告側は、別訴訟で国側が訴えていた主張の一部を一言一句引用し、飛行場の危険性除去の必要性を強調。この主張は両者に「争いはないはず」として、早期の飛行差し止めを要求した。
 原告側が引用したのは、飛行場の名護市辺野古移設を巡り、翁長雄志知事時代の2015年11月に国が県を相手に提起した、代執行訴訟での国の主張だ。市街地にある飛行場は「世界一危険」ともいわれ、事故の危険性や騒音被害にさらされることが「常態化している」と強調。国は周辺の住宅防音工事への助成をしているが、宜野湾市に苦情が寄せられているとして、「騒音被害が解消されているとは到底いえない」と述べた。その上で「周辺住民などの生命・身体に対する具体的な危険性は、一刻も早く除去されなければならない」と指摘した。
 原告側はこれらの主張に加え、過去の判例を基に「生命、身体が侵害される具体的な危険がある者は、人格権(生命、身体)に基づき、差し止めを請求することができる」と訴えた。
 原告の弁護団によると、普天間爆音訴訟で同様の訴えをするのは初めて。原告側は夜間・早朝の航空機騒音の禁止などを求めており、今回の主張を認めてもらうことで、飛行差し止めの根拠にしたい狙いがある。
 8日の弁論で原告側は、外来機飛来の情報公開なども求めた。国側は原告側の将来分の請求は不適法などと反論した。足立裁判長は、次回期日を「追って指定」するとした。