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大震災や原爆 語り部が集う 福島でサミット


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 東日本大震災や広島の原爆、水俣病などの記憶や教訓を伝承する各地の語り部らによるトークイベント「伝承の仲間づくりサミット」が11日、福島県大熊町で開かれ、課題などを話し合った。
 大熊町で当時7歳だった次女を大震災の津波で亡くした木村紀夫さん(58)は「(娘が通っていた教室を)当時のまま残してほしい」と要望した。
 津波で児童ら計84人が犠牲になった宮城県石巻市の大川小の「大川伝承の会」共同代表で、次女を亡くした佐藤敏郎さん(60)は「震災遺構として建物は残されたが、何があったのかをもっと詳しく伝える方法を検討する必要がある」と話した。
 広島県で原爆の伝承活動を行う多賀俊介さん(74)は、広島市が進める被爆者が体験を伝える取り組みについて「個人的な発言を制限されるケースもあった」などと紹介。水俣病の伝承活動をする大沢菜穂子さん(50)は伝承活動を自治体が支援する枠組みでは「行政と私たちの発信の仕方に違いがあると感じた」と問題提起した。