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新城幸也、初の五輪出場 息子の快挙に両親感激「天国の祖母も後押し」 沖縄・石垣島


新城幸也、初の五輪出場 息子の快挙に両親感激「天国の祖母も後押し」 沖縄・石垣島 会見で喜びを語る新城幸也選手の母のるみ子さん、父の貞美さん=1日、石垣市登野城の自宅
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 「よく頑張った。おめでとう」。自転車男子ロードレースでロンドン五輪出場を勝ち取った新城幸也選手の父、貞美さん(57)と母、るみ子さん(53)は1日、石垣市登野城の自宅で会見し、左手首骨折を乗り越えて、五輪出場という八重山初の快挙を成し遂げた長男を褒めたたえた。

 3月25日に他界した祖母の八重子さん=享年85=は五輪出場を願っていたという。るみ子さんは「天国から出場を後押ししてくれたのかもしれない」と感慨を深めた。

 祖母の八重子さんは新城選手が小さいころから旅行に連れて行くなどかわいがっていたという。世界最高峰のレース、ツール・ド・フランスに出場した後も五輪出場を願ってやまなかった。

 世界各地を転戦する新城選手は「チームに迷惑が掛かる」という父の言葉を受けて葬式に出席しなかったが、忙しい合間を縫って4月13日に急きょ帰省。最愛の祖母に線香をあげた。

 貞美さん、るみ子さんは「おばあちゃんはいつも『オリンピック、オリンピック』と言っていた。本当は見てほしかったけど、天国への土産になって喜んでいると思う」と目を細めた。

 新城選手は4月1日に行われたフランスのレースで左手首を骨折。帰省した際に貞美さんが握手したところ「子どもと思うくらい」握力が落ちていたという。けがを押して出場した全日本選手権で9位に入り、出場権をもぎ取った。

 4年前の北京五輪は期待されながら出場を逃した。貞美さんは「悔しい思いもしただろうが、目標の一つを達成でき、親としてもうれしい気持ちでいっぱい。まさかうちの子がという気もするが、常に目標を掲げて頑張った成果だ」と喜んだ。