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総裁選最多9人の争い きょう告示、決選投票含み


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 岸田文雄首相の後継を決める自民党総裁選は12日に告示される。上川陽子外相(71)は11日、立候補を表明、斎藤健経済産業相(65)が出馬を断念し、9人が争う構図が固まった。過去最多だった2008年と12年の5人を大きく上回った。1回目の投票でどの候補も過半数を獲得できない可能性が高く、上位2人による決選投票にもつれ込むのは必至の情勢だ。派閥裏金事件を踏まえた対応などが主要な争点に見込まれる。 (23面に関連)
 裏金事件を受け解散方針を決める派閥が相次いだ。派閥の締め付けが弱まり、異例の乱戦模様となっている。立候補には推薦人20人が必要なため残る国会議員票は限られ、党員・党友票の動向が鍵を握る。
 総裁選に初めて挑む上川氏は東京都内で会見し、「難問から逃げず、国民の皆さまと新たな日本を築きたい」と意気込みを語った。高市早苗経済安全保障担当相(63)に続いて今回2人目の女性候補となる。
 出馬を模索していた斎藤氏と野田聖子元総務相(64)はそれぞれ推薦人を確保できず、総裁選出馬断念を表明。野田氏は、選択的夫婦別姓の導入に前向きな小泉進次郎元環境相(43)の推薦人に回る。
 小泉氏は新潟県長岡市で、告示を前に「多くの皆さんの気持ちを結果につなげ勝利できるよう思いを伝えていきたい」と語った。石破茂元幹事長(67)は東京都内の会合で「幸せを実感できる国をつくるため、全身全霊で勝ち抜く」と決意を述べた。高市氏は議員会館を回り、支持を呼びかけた。「2回目なので勝ちにいく」と語った。
 小林鷹之前経済安保相(49)は経団連の十倉雅和会長と会い、エネルギー政策を巡り意見を交換。林芳正官房長官(63)は東京都内で建設関係の団体を訪れた。茂木敏充幹事長(68)は、地元の栃木県足利市で自身が通った小学校の分校跡地を訪問した。
 河野太郎デジタル相(61)は、総裁選公約として予備自衛官を活用した災害対応部隊を創設したいとX(旧ツイッター)に投稿。加藤勝信元官房長官(68)はラジオ番組で「国民の所得倍増を実現する」と訴えた。