【交差点】いじめ


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 カリフォルニア州の小さな町アクトンにあるバスケス高校在学中のジェラミヤ・ラサター君(14)は自分で若い命を絶った。いじめが原因の逃避行として自殺を選択したのであった。

昨年10月22日のランチ・タイムの後、彼は浴室のドアをロックして、ピストル1発で自分の頭をぶち抜いた。16年の歴史があり、生徒数600人の同校では、初めての悲劇に誰もが深い悲しみに打ちひしがれている、とメディアが報じた。
 2メートル近い長身のラサター君はフットボール選手としてめきめきと頭角を現し始めていた。いじめやからかいは彼の長身とおとなし過ぎる性格にあったようだ。どこへ行っても彼は目立ち過ぎた。内気な性格で外へ発散することがなかった。
 2005年の米国司法省の調査によると、12歳から18歳までの生徒の28%が過去6カ月間にいじめに遭い、4年前に比べて2倍に増加していた。指導主任は「規律に服さない生徒が多過ぎる、感受性トレーニングも実施しているがあまりうまくいっていないのが現状」と頭を抱える。ラサター君の場合も同僚や担任の先生は事前にいじめを察知していたが、校長などには情報が報告されていなかったようだ。日本のみならず米国も今やいじめ問題は深刻だ。
(当銘貞夫ロサンゼルス通信員)