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日本の優れた芸術作品をヨーロッパに紹介する「国際芸術大賞展2012」(主催・NPO法人IMCF国際美術機構)がこのほどイタリア・ベネチアのピアニガ市で開かれ、水墨画家の玉城梅子さん(68)=八重瀬町=の作品「PAC3のある市街地」が最高賞と同市長賞を受賞した。
作品は、ことし4月に地対空誘導弾パトリオット(PAC3)が一時配備された石垣市の石垣港をモチーフにしたもので、県勢の同展最高賞は初。玉城さんは「賞の内容より、テーマを評価してくれたことがうれしい」と喜んでいる。
玉城さんの作品は、海を隔てた市街地を背景に、港内の自衛隊のテントやヘリコプターなど北朝鮮の「衛星」発射への対応に向けた様子が描かれている。
港内の慌ただしさを、海を挟んだ市街地の建物の静けさと対比させることで配備の物々しさを表現、逆説的に平和を願うメッセージを発信している。
「社会的な題材を取り上げたことはなかったが、新聞やテレビを見てあまりにも大きな問題に、これしかないと思い、一気に描いた」と振り返る玉城さん。
「平和への思いを、絵を通して伝えたいという私なりのメッセージだった」と新境地への最高の評価に満足そうな表情を見せた。
今後、制作してみたいテーマは米軍の新型輸送機オスプレイだという。「実現できるか分からないが、どういった問題があるのか勉強し、挑戦してみたい」とさらなる挑戦へ意欲を見せた。(小波津智也)