今につながる史劇 24年ぶり「首里城明け渡し」上演


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処分官・松田道之(右端)の通達で首里城を明け渡し、船出を前に臣下らへ別れを告げる尚泰王(前列左から2人目)=2日、那覇市民会館

 明治政府による「琉球処分」を題材にした沖縄芝居の琉球史劇「首里城明け渡し」(山里永吉作、与座朝惟演出、玉木伸演技指導)が2日、那覇市民会館で上演された。出演した沖縄俳優協会によると、1988年に同会館で上演以来、約24年ぶり。会場は立ち見も出る盛況だった。今の沖縄につながる歴史を描いた大作に観客らが思慮深そうに見入り、満場の拍手が送られた。

 那覇市文化協会が創立20周年記念特別公演として主催し、那覇市、沖縄俳優協会、琉球新報社が共催した。
 明治政府が琉球王国へ廃藩置県を通達し、首里城明け渡しを迫る物語。親日本派の大和党と親中国派の支那党は議論をぶつけ合う。城を明け渡した尚泰王が船出を前に、臣下らに別れを告げる場面などが観客の涙を誘った。
 鑑賞した久高友加梨さん(首里高3年)は「学校でもあまり詳しく学べない歴史。尚泰王が出て行く場面などが感動した」と感銘を受けた様子。玉城徹さん(51)=糸満市=は「今(の沖縄)と重なる面を感じた。今後もこうした史劇を上演してほしい」と期待した。

英文へ→Historical play – “Surrender of Shuri Castle”