笛の魅力前面に13題 沖縄横笛協会 結成30年記念公演


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幕開け「かぎやで風」の地謡を笛奏者約30人で務める会員ら=1日、浦添市の国立劇場おきなわ

 沖縄横笛協会(真地利尚会長)の結成30周年公演「笛愛(ふえかな)さ 音清(うとぅじゅら)さ」が1日、国立劇場おきなわで行われた。

初の同協会主催公演。笛の魅力を前面に出して器楽合奏や舞踊など13題を披露した。
 舞踊「かぎやで風」「松竹梅」「鷲ぬ鳥節」は地謡席に笛の奏者が約30人並び、笛の音が重なり合う新鮮な響きで踊りを引き立てた。会員の平田武が作曲した器楽合奏「鼓笛絃遊」は独特なリズムで魅了した。
 笛が欠かせない八重山の民俗芸能も登場。迫力ある棒さばきの棒踊り「与那国の棒」、会員が踊り手を務め、掛け声を上げながら披露した黒島の民俗芸能「タイラク」を地域色たっぷりに披露した。
 通常は地謡の中に1人の場合が多い笛を大人数で演奏する試みは新鮮で楽しめた。ただ、大人数の演奏で音がずれる場合もあった。1人で演奏するからこそ笛の音色が生きる場合もあれば、大人数の迫力が出る演目もあるのではないかと感じた。同協会として初の公演だが、今後も機会を見て興味深い舞台を上演してほしい。
(古堅一樹)