本物の組踊、「新鮮」 東風平小で鑑賞教室


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児童らを前に組踊「執心鐘入」を披露する組踊うるまの会=13日、八重瀬町の東風平小学校体育館

 【八重瀬】児童に本物の組踊を知ってもらおうと、国の重要無形文化財「組踊」保持者らによる「児童組踊鑑賞教室」(組踊うるまの会主催)が13日、八重瀬町の東風平小学校(石川宏校長)で開かれた。

午前は低学年、午後は高学年の2回公演し、児童らは生の組踊「執心鐘入」や琉舞を堪能、沖縄の誇る伝統芸能に触れた。
 舞台には東風平小OBや八重瀬町在住の実演家も出演。演目ごとに歌詞などを字幕付きで紹介し、児童らの理解を助けた。伝統組踊保存会の中村一雄さんが組踊の歴史や「執心鐘入」の粗筋や見どころなども説明。児童が実際に舞台に上がり、唱えやすり足を体験する場面もあった。
 「執心鐘入」で、鐘の中に隠された主人公の中城若松を、宿の女から守る見張り番の小僧たちが居眠りをするコミカルな場面では会場から笑い声も起き、座主らが鬼女を読経で退散させた後は拍手も湧き起こった。
 6年の運天祐輝君(12)は「生の組踊を初めて見た。独特のせりふの調子がとても新鮮だった。登場人物の心情を伝える楽器に興味を持った」と感想を語った。鑑賞会を開いた同会の首里良三会長は「子どもたちが真剣に見てくれて良かった。多くの人に伝統芸能の素晴らしさを知ってもらうきっかけになれば」と話した。