「備瀬豊年祭」絆の舞台 郷友会支援、浦添で上演


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本部町備瀬区の豊年祭村踊り「大主前」を国立劇場で上演した地域の青年や子どもたち=23日、浦添市の国立劇場おきなわ

 本部町備瀬区伝統の豊年祭村踊り鑑賞会(主催・那覇近郊在住備瀬郷友会、中部在住備瀬郷友会)が23日、浦添市の国立劇場おきなわで開かれた。同町備瀬区で9月28日にあった本番の舞台は台風17号の襲来で途中で中止となったが、稽古を重ねてきた地域の青年らの努力を無駄にしないよう、中部や那覇の郷友会が企画、実現した。

250人を超える同区出身者が集まって舞台を堪能、郷土の絆を再確認した。
 中部郷友会の大城正和会長は、上演を支援した郷友会員らの協力に謝意を述べ「故郷の発展と若者の定住環境づくりを皆の力で実現させよう」とあいさつ。備瀬区の高良善久区長は「夢のような素晴らしい劇場での上演に深く感謝する。台風の悔しさも晴れた」と感謝した。
 代々受け継がれてきた組踊「姉妹敵討ち」「大主前(うしゅめい)」「ミリバー」などに加え、備瀬独特の狂言「亀浜」も上演。プログラムの出演者名は「高良秀人・(ゲンゴローヤー)高良秀行の子」などと高齢者にも分かりやすく紹介。場内の談笑には備瀬の言葉が飛び交った。
 本番の日も備瀬を訪れ、舞台の中断を目の当たりにしていた浦添市の玉城奈美枝さん(64)は「出演者も大変だったと思うが、このような上演はとても誇らしい」と喜んだ。