国立劇場で単独公演 玉城流翔節会平良恵子師範


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人間国宝の西江喜春の歌三線に乗り、思い入れを込め「諸屯」を舞う平良恵子=10日、東京都の国立劇場

 【東京】琉球舞踊「玉城流翔節会」平良恵子師範の第5回リサイタル東京公演が10日、東京都千代田区の国立劇場で開かれた。

芸歴39年で、念願だった初めての東京公演となった。琉球王朝時代に踊られた御冠船踊を再現した創作若衆踊「菊の錦」を披露するなど意欲的な舞台を披露し、会場を埋めた観客から盛んな拍手を浴びた。
 第1部は古典女踊の「作田」、雑踊「浜千鳥」に加え、藤村玲子の紅型作品から着想を得た「綾船の御状」と、古典、雑踊、創作と琉球舞踊のバリエーションを網羅して見せた。
 第2部は古典女踊の中で最も難しいとされる「諸屯」をトリに舞った。満たされぬ恋に悩む女心を抑えた動きで表現し、あでやかさの中に憂いを含んだ感情を表現した。
 師匠の玉城流翔節会、玉城節子家元が創作「花籠」で特別出演し、地謡を人間国宝(組踊音楽歌三線)の西江喜春が務める豪華な舞台となった。大城学琉球大教授が琉球舞踊の魅力を解説したことも相まって、在京の琉舞ファンを楽しませた。