沖縄の絆描く 来月、川崎市で市民劇


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5月2日の上演を前に稽古に余念がない川崎郷土・市民劇のキャスト=川崎市内

 【神奈川】沖縄の人が多く移住した神奈川県川崎市を舞台に、終戦後の焼け野原から復興に立ち上がる人々の姿を描いた市民劇「大いなる家族―戦後川崎ものがたり」が、5月2日から同市で上演される。

 脚本は同市在住の小川信夫さん(86)。「特攻隊の生き残り」で、友人や妻の親戚に沖縄出身者を持つ。劇は戦後の自身の体験を基に創作した。「戦後、沖縄出身の人たちは故郷への思いを沖縄芸能文化の再生に懸け、助け合って生きてきた。東日本大震災が起きてあらためて感じた人々の絆の大切さを、戦後の川崎を舞台に見せたい」と思いを語った。
 主人公は故郷・沖縄の伝統芸能を絶やさないよう奮闘する明子。全国や朝鮮半島などからさまざまな境遇を経て川崎に集まった人たちとの交流を通して夢を追い、ついに沖縄の伝統芸能が市と神奈川県の無形文化財に指定される。
 キャストは公募で選ばれた一般の市民とプロの劇団員の約40人。劇中に披露される琉球舞踊などは川崎沖縄芸能研究会(名嘉ヨシ子会長)が出演し花を添える。
 上演は5月2―4日が多摩市民館、24―26日が川崎市教育文化会館。問い合わせは同実行委員会(電話)044(222)5818。