命の尊さ語り掛け 北島角子さん一人芝居


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一人芝居「針突」を演じる北島角子さん=5日、宜野湾市の佐喜眞美術館

 【宜野湾】女優の北島角子さんによる一人芝居「針突(はぢち)」の公演が5日、宜野湾市の佐喜眞美術館(佐喜眞道夫館長)であった。北島さんは沖縄・奄美地方のかつての風習である針突を施された老女を演じ、会場に訪れた約150人の観客を魅了した。

 「針突」は上原直彦さんの作品で、北島さん演じる「おばぁ」の家に結婚を控えた孫娘が訪れて話を聞くという設定。針突とともに歩んできたおばぁの人生を通して、夫婦の在り方や子育ての心構え、命の尊さをユーモアたっぷりに伝える。
 芝居は北島さんが会場の一人一人に語り掛けるような形で行われ、観客はそれぞれ自分が話し掛けられたようにうなずきながら話に聞き入った。途中織り交ぜられる歌や手踊りでは観客が手拍子をしたり、一緒に歌ったりする場面も見られ、会場全体が北島さんの世界に包まれた。
 初めて北島さんの芝居を見た前城直美さんは「方言が全部分かったわけではないが、伝える力が強かったので、とても楽しめた。来て良かった。また見たい」と話した。
 北島さんがこどもの日に佐喜眞美術館で一人芝居を演じるのは13回目。公演の前後には沖縄民謡グループ・フォーシスターズが民謡を歌い、会場は心地よい三線の音色と歌声に酔いしれた。