沖縄芸能伝え10年 フリーペーパー箆柄暦


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創刊10周年の節目を喜ぶ箆柄暦編集室の萩野一政さん=那覇市壺屋

 音楽や芸能など沖縄関連のイベント情報を伝えるフリーの月刊誌「箆柄(ぴらつか)暦」が5月号で創刊10周年を迎えた。同誌は県内のみならず、全国で催されるイベント情報を集約しているのが特徴で、毎月約700件を掲載している。

千部からのスタートだった発行部数も現在は1万3千部を超え、県外の沖縄ファンの情報源として活用されるとともに、本土へ進出する表現者たちの活動を支える役割も担っている。
 「映画やコンサート情報をまとめた雑誌『ぴあ』(現在休刊)の県内版ができないかと思った」(NPO法人沖縄イベント情報ネットワーク・箆柄暦編集室の萩野一政さん)のをきっかけに、2003年5月に創刊した。現在は月に約1500件のイベント情報を集め、ウェブ版でも配信する。
 マスコミを通じ、イベント情報を簡単に入手できる県内に比べ、県外で沖縄の情報に触れる機会は限られている。そのため、県外の沖縄ファンにとって、箆柄暦は貴重な情報源として活用されている。部数の大半を占める1万部が県外に発送され、人気の高さを物語る。萩野さんは「箆柄暦で集めた情報を手段に、沖縄の魅力をより発信できるような方策を今後も考えたい」と抱負を語った。
 「ぴらつか」とは八重山方言で歌や踊りに入れ込み働かない怠け者の意味だが、箆柄暦は今後も丹念にイベント情報を集め、沖縄文化を読者に届けていく。問い合わせは(電話)098(869)9155。(小波津智也)