舞踊に歌劇 多彩 NHK沖縄の歌と踊りのつどい


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物乞い(左、平敷勇也)をチルーだと思い込む蒲太(金城真次)=浦添市の国立劇場おきなわ

 第67回「NHK沖縄の歌と踊りのつどい」がこのほど、浦添市の国立劇場おきなわで開催された。第1部は琉球舞踊5題を披露。第2部は4人の唄者による民謡に合わせ、舞踊家が創作を踊った。

第3部の歌劇「渡地物語」(高江洲紅矢作、伊良波さゆき演出)は観客の笑いが止まらず、多彩な内容で楽しませた。
 第1部で異彩を放ったのは安次嶺利美、正美親子による「花風」。老いた遊女を利美が、遊女が回想する若き日の姿を正美が演じた。老女は足元もおぼつかず、動きは少ないが、人生の切なさと変わらぬ情の深さをにじませた。
 第2部では、湧川明の歌う「富原ナークニー~はんた原」に、大湾三瑠が芝居がかったコミカルな踊りを振り付け会場を沸かせた。
 「渡地物語」は、久米島出身の蒲太(金城真次)が遊女のチルー(知念亜希)を介抱したのが縁で、将来を誓い合うという筋立て。蒲太は島に帰るが、数年後にチルーを名乗る物乞い(平敷勇也)が訪ねて来る。
 冒頭で酒浸りのチルーを演じた知念は、本物の遊女のような色香を放った。平敷演じる物乞いは、ぎこちない動きだけで観客を笑わせ、蒲太の主(宇座仁一)と繰り広げたコントのようなやりとりは、純愛物語のいいスパイスになった。
 第1部は6月、第2部は7月、第3部は8月に放送する予定。