高齢者の生活実感 真和志高1年生 疑似体験


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
膝や肘にサポーターを着け高齢者の気持ちになって歩行体験する真和志高校介護福祉コースの1年生ら=1日、那覇市の同校

 真和志高校(與座博好校長)で1日、筋力や視力が低下し日常生活が不便になる高齢者の生活を体験しようと高齢者疑似体験授業が開かれ、介護福祉コースの1年生43人が受講した。

生徒が2人ペアで階段の上り下りなどに挑戦し、介護する側、される側の気持ちや注意点を学んだ。生徒たちは授業を踏まえ、夏休みに2週間の介護実習を行う。
 介護される側の生徒は、加齢による筋力低下と可動域が狭くなることを感じるため、左右のうち片方の足首、肘、膝をサポーターで締め、足首、手首と胴体には総量2・7キログラムの重りを着けた。両耳には耳栓を入れ、視野が狭まったり、ぼやけたりする眼鏡も着用、手に軍手もした。通路や階段では介助者を務める生徒が高齢者役の生徒をそばで支えながら歩行。段差があることを声に出して伝えるなどしていた。
 高齢者役を体験した安村美優さん(15)は、ペットボトルの清涼飲料水の開栓にも挑戦。「キャップの開け閉めなど細かい作業が一番難しかった。歩く時も足が自由に動かせず、引きずって歩くしかなかった。いつもは簡単にできることが簡単にできないことが分かった」と話した。
 介助者役を務めた新垣未夕さん(15)は「段差なのか、階段なのか、言葉の使い方で高齢者の動きが変わると感じたので、声の掛け方を意識した」と話した。
 高齢者疑似体験実習は県介護実習・普及センターの担当者が講師を務めた。介護の現場では多くの職員が業務による腰痛を抱えているため、授業の冒頭では腰痛防止体操も取り入れた。