紙芝居で地域学習 与那原町教委、教材3種類作成


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与那原町教育委員会が作成した紙芝居と「与那原かるた」「与那原ものしりブック」

 【与那原】与那原町教育委員会はこのほど、町の歴史・文化を幼児や児童生徒に分かりやすく伝えようと、与那原の民話をまとめた紙芝居と、特産品や伝統行事などを紹介する「与那原ものしりブック」、「与那原かるた」の3種類の教材を作成した。

各教材は町内の各認可保育園や幼稚園、小中学校に配布され、読み聞かせの時間などに活用される。町立図書館にも置かれ、一般の閲覧も可能だ。
 「与那原町の伝統・文化・言語を活かした紙芝居等作成事業」の一環。2012年度一括交付金を活用し、12~13年度の2年間で作成した。
 紙芝居は「運玉義留と金の枕」「与那原大綱曳」「久茂久岩(くむくじ)」「与那原の親川」「ソウヌマシ」の全5話。文献資料を基に、編集委員らが各民話を再構成して作成した。
 「与那原ものしりブック」は子どもでも楽しく学べるクイズ形式で、「現代の与那原」「与那原の歴史」「与那原大綱曳」「戦争」の4テーマから全60問を出題。3択の中から答える。
 紙芝居とものしりブックは6月にインターネット上で一般公開する予定で、町ホームページからアクセスできる。紙芝居は標準語、しまくとぅばの2言語による朗読や、文字での表記も視聴可能となる。
 「与那原かるた」は09年、当時の与那原中2年生が社会科の授業で作成した字札と絵札を採用した。町の特産品や伝統行事、偉人、名所など町に関係するテーマを五十音に当てはめている。字札は標準語だったが、今回新たにしまくとぅばでの対訳も付けた。
 町教委生涯学習振興課の宮平律子課長は、各教材について「学校現場だけではなく民泊を受け入れる家庭でも活用できる。子どもたちが町に誇りを持ち、伝統行事や祭りに進んで参加するようになってほしい」と期待した。