米軍、ドラム缶落下を「人為ミス」と説明 訓練再開へ


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 【伊江】総重量約800キロのドラム缶が物資投下訓練中の米軍機から伊江島補助飛行場のフェンス外に落下した問題で、フェンス外への落下は米軍の人為的ミスであることが9日、沖縄防衛局などへの取材で分かった。米軍は、再発防止策が取られたとして、一時中止していた訓練を5日以降に再開すると防衛局に通告した。

9日午後11時現在、訓練は確認されていない。
 一方、在沖海兵隊は「運用上の安全のため具体的な機種に関する情報は公表していない」としており、ドラム缶を落下させた機体を明らかにしなかった。
 米軍は、搭乗員が飛行位置を誤認識し、物資投下予定場所から東に約1・8キロ離れた別の場所に落下したとしている。天候の影響によるものではないという。米軍は飛行経路などの再確認と隊員教育の実施で再発防止策が取られたと見なし、訓練を再開するとした。
 防衛局は2日、伊江村に対し、事故原因や再開を報告。村は、以前に米軍と合意した飛行ルートから外れた場所に落下していることを指摘し、飛行ルートの詳細を示すよう防衛局に再度申し入れた。村議会は12日にも村議会議会運営委員会を開き、再抗議について議論する予定だ。
 島袋秀幸村長は「重量物の落下は危険。これだけの説明では納得しづらく不安を払拭(ふっしょく)できない」と話した。落下現場に近い真謝区に住む平安山良尚さんは、人為的ミスが原因だったことに「あきれて物が言えない。本国に帰らないと伊江島での事故はなくならない」と話した。