屋富祖通り会「顔看板いいね」 仲西中美術部が店主描く


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看板の似顔絵がそっくりと評判の「宮城商店」の宮城キク子さん=浦添市の屋富祖通り

 【浦添】私たち、通りの“顔”です―。浦添市の屋富祖通りににぎわいを取り戻そうと、それぞれの店主の似顔絵を描いた「顔看板」が通りの店先に掲げられている。店主の個性を通して昔ながらの通りの魅力を紹介する、名付けて「屋富祖通り顔プロジェクト」。発案者で通り会書記・会計の崎浜美和さん(65)は「楽しく歩ける通りにしたい」と語る。

 顔プロジェクトは昨年の「浦添市まちづくりプラン賞」に輝き、実現に向けた助成金を得た。学校区の仲西中学校に持ち掛け、美術部の生徒たちに店主たちの似顔絵を描いてもらった。横20センチ×縦15センチほどの小ぶりの「顔看板」が、商店や八百屋、眼鏡屋、アトリエなど14店舗の店先を飾っている。
 屋富祖通りで開業して57年の「宮城商店」では宮城キク子さん(83)の笑顔がそっくりと好評だ。宮城さんは「店に来るお客が『はっさよー母ちゃん、あんし似ちぇーて描ちょーるやー』と言ってくれてるよ」と評判を喜んでいる。
 屋富祖通りといえば浦添を代表する目抜き通りだったが、周辺の開発や大型商業店舗の登場で次第に客足が遠のいていった。宮城さんは「あちこちお店が閉まってしまい、昔を知る人からは『なんで屋富祖はこんなになったの』と聞かれる。どうにか発展してもらいたいね」と語る。
 発案者の崎浜さんは、夫婦で営む理髪店「カットサロンマサ」の看板に似顔絵を描いたところ好評だったことから、これを通り会で広めようと提案した。「お店に入って話をすると、面白い人たちばかり。まずは看板を見て笑ってもらえればいい。緑や花も増やしながら、歩いてもらえる通りに少しずつでも進めていく」と意気込んでいる。