差別や悲しみ体現 北島角子さん一人芝居「にっぽんじん?」


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ウチナーンチュの歴史を一人芝居「にっぽんじん?」で演じる北島角子さん(右端)=5日、宜野湾市の佐喜眞美術館

 【宜野湾】女優の北島角子さんによる一人芝居「にっぽんじん?」の公演が5日、宜野湾市の佐喜眞美術館(佐喜眞道夫館長)であった。北島さんは、戦に巻き込まれ、家族を失い、現在まで日本人から差別を受けるウチナーンチュの姿を熱演した。

 芝居は、戦前、戦中、戦後を生きた主人公の女性が、県外出身の孫の友人に沖縄の話をするという設定。“立派な日本人”になるためにウチナーグチを封印し、標準語を覚え、「言葉の戦争」をしてきたウチナーンチュの歴史を体現した。
 3人の息子や夫が戦死したことを嘆く場面では「子どもをたくさん産んだ人ほど悲しい思いをたくさんしている」と語った。戦後に本土へ嫁いだウチナーンチュ嫁が受けた差別も演じた。
 愛知県名古屋市から来た伊奈郁乃さん(38)は「ヤマトグチとウチナーグチの違いが面白く伝わった。特に戦後の歴史の中で、沖縄の人が感じた悲しみや気持ちが伝わってきた」と感想を話した。
 北島さんが佐喜眞美術館で「こどもの日」に一人芝居を演じるのは14回目。公演の前後にはフォーシスターズによる民謡や、新里春加さんによる琉舞も披露された。