八重山上布 3人追加 県指定文化財


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 県教育委員会は、県指定無形文化財「八重山上布」の保持者に3人を追加認定し、県指定有形文化財に絵画「紙本着色(しほんちゃくしょく) 喜久村潔聡(けいそう)(片目地頭代(かたみじとぅでー))像」と、工芸「苧麻紺地鶴(ちょまこんじつる)に波頭文様紅型幕(なみがしらもんようびんがたまく)」の2項目を16日付で指定する。

同日、県公報で公表する。4月16日の県教委で決定していた。
 県指定無形文化財「八重山上布」保持者に追加認定されたのは、平良蓉子さん(80)、糸数江美子さん(59)、松竹喜生子さん(56)で、3人とも石垣市在住。1978年に6人、91年に3人の認定以来3度目となる。
 「紙本着色―」は久米島の地頭代であった喜久村潔聡の、縦130・2センチ、横72・6センチの自画像。1759年、喜久村が47歳の時に首里もしくは那覇の絵師に描かせたと考えられる。「苧麻紺地鶴―」は1757年に喜久村が王府から受けた上布で制作させた、縦190センチ、横370センチの紅型幕で、同じ大きさの幕が2張りある。染織資料としては初の認定となる。2項目とも久米島博物館に保管されている。
 諸見里明県教育長は「石垣市、久米島町の両教育委員会や(無形文化財)保持者の方々らと連携し、文化財の保存と活用を図っていく」とコメントした。

※注:喜久村潔聡の「潔」は、旧字体