嘉手納のF15が訓練中にエンジン部品落下 場所不明


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 米空軍嘉手納基地所属のF15戦闘機1機が15日午前、訓練飛行中に、エンジン部品の一部(重さ約17グラム)を落下させた。嘉手納基地によると落下場所は不明で、けが人などの被害情報はない。

嘉手納基地は16日、本紙の取材に対し「落下部品は目に見えないほどの小さな亀裂があったとみられる。徹底して点検し、部品を取り換えたので飛行には問題ない」とし、訓練延期の予定はないことを明らかにした。識者からは「エンジンの停止や爆発を引き起こす可能性もあった。落下物の重さに関係なく重大事故だ」との指摘が上がっている
 仲井真弘多知事は同日、記者団に対し「最近は(米軍機の)管理がおかしいのではないか。それで県民の頭上を飛び交うのはちょっと信じられない」と述べ、再発防止の徹底を訴えた。
 F15は3月にも沖縄本島の北西約130キロの東シナ海上空で訓練飛行中、操縦席を覆うカバーが外れ、海に落下した事故を起こしたが、原因を明らかにしないまま飛行を再開した。
 沖縄防衛局によると、F15は15日午前、嘉手納基地から北谷町方面に離陸し、本島南東部の海上空域で訓練を実施。同じ経路で同日午前10時半に基地に戻り、午後2時に点検を行った際に部品がなくなっているのが判明した。
 落下した部品は金属製で、エンジンの外側と内側の分岐部分を固定する計30個の締め金のうちの一つ。幅4センチ、長さ4・5センチの長方形だった。
 沖縄防衛局は15日午後6時半ごろ嘉手納基地から通報を受け、県や関係市町村に連絡した。県基地対策課は16日午前、嘉手納基地に対し、再発防止と安全管理の徹底を求めた。