伊江島のパラシュート訓練で米兵4人が柵外海上に降下


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 16日午前10時50分ごろ、米軍伊江島補助飛行場で米海兵隊によるパラシュート降下訓練が実施され、垂直離着陸機MV22オスプレイから降下した兵士4人が同飛行場近くの海上に落下した。

海兵隊によると、4人は着水したが、けがはない。漁業者などの被害も確認されていない。
 伊江村ではことし1月からパラシュート降下訓練による落下事故が相次いでおり、今回の事故を含めると4件目。
 海兵隊によると、伊江島補助飛行場訓練施設で通常のパラシュート訓練を実施していた際、4人の兵士が米軍施設区域内の海上に着水した。4人はすぐに船で救出され無事だという。
 訓練を監視していた村職員によると、パラシュートで降下した兵士が飛行場フェンス外の海上に落下。風は弱く、付近に航行中の船はなかったという。
 海兵隊報道部は本紙の取材に対し「降下員は安全に着水し、直ちに救助された。全ての訓練は安全かつ適切に実施されている」としている。
 伊江村では今年に入って畑やフェンス外に兵士が着陸したほか、計約800キロのドラム缶4本が米軍施設の建設工事現場に落下するなど事故が相次いでいる。

◆「反省ないのか」 地元住民怒り
 【伊江】米軍のパラシュート訓練中に兵士4人がフェンス外の海に落下した問題で、島の漁師や住民は16日、「迷惑だ」「何の反省も教育もない」と怒りの声を上げた。
 伊江島で漁をしている50代の男性は「海に落ちることもあるのか」と驚いた様子で話した。「漁をしているときに落ちてきたら怖いし、迷惑だ」と懸念した。
 伊江漁協の八前隆一組合長は「船の航行で一時的に通過することがあるので、海に落ちることは好ましくない」とした上で、「南風だったので風にあおられたのかもしれないが、今後は気を付けてほしい」と念を押した。
 真謝に住む平安山良尚さんは、午前11時ごろにオスプレイが低空で海面を30分近く旋回する様子を目撃し「何かあったのでは」と直感した。後でパラシュートを着用した兵士4人が海に落下したと分かった。度重なる事故に「何の反省も教育もないまま訓練をしている。村民をばかにしている」と憤った。