菜園使って癒やし 利用者、地域に好評 デイサービス「一番座」


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デイサービス利用者の心の癒しと実用を兼ね備えた家庭菜園「ポタジエ百菜」=南城市佐敷字佐敷

 【南城】デイサービスに通うお年寄りや入所者の保養に役立てるため、老人福祉施設が南城市佐敷字佐敷で取り組む菜園に、ゴーヤーなどの野菜やパッションフルーツなどの果樹やテッポウユリなどの草花が育ち、地域の人や通行人を楽しませている。

 菜園作りに取り組んでいるのは、同市佐敷字屋比久でデイサービス「一番座」を経営する大城利広さん(66)。2年前、施設利用者のリハビリや癒やしの場として借地を活用し、菜園を設けた。面積は660平方メートル。家庭菜園を意味するフランス語「ポタジエ」にちなみ、「ポタジエ百菜」と名付けた。
 冬瓜にハンダマ、ヨモギ、ヤマイチゴ、ピーマン、バジル、ミントなど多彩な作物が育つ。3日には車いすのお年寄りたち数人が通園バスで訪れ、若い職員に押してもらって園内を見て回った。
 菜園の管理に当たっている平田辰雄さん(62)は「100近い植物が植えられ水やりに手がかかるが、花が満開し野菜や果物の採りごろになると疲れもすっかり忘れてしまう」と笑顔で話す。
 オーナーの大城さんは「フランスやイギリスを中心にはやっている実用と鑑賞を兼ね備えた庭を参考に、デイサービス施設とセットで心を癒やしてもらおうと考えた。利用者から喜ばれ大変良かった。さらに利用価値を高めるため面積を広げたい」と語った。(知花幸栄通信員)