「あなたはヒーロー」 パッチさん講演「自尊心を」


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人に奉仕する職種の人が、仕事の上で燃え尽きないヒントについて講演したパッチ・アダムスさん=18日、浦添市のてだこホール大ホール

 「癒し 支え合うよろこび」をテーマに、パッチ・アダムスさん(68)の講演会「琉球光和創立50周年記念事業『パッチ・アダムスin沖縄2014』」(主催・同実行委員会、NPO法人ゆいめど、共催・琉球光和、国際ビル産業、琉球新報社)が18日、浦添市のてだこホール大ホールで開かれ、約900人が訪れた。

アダムスさんは「創造力や熱意を持ち人に接することで人生が豊かになる」と来場者に説いた。看護師、医師、教師、介護士など特に人に奉仕する職種にある人が、仕事の上で燃え尽きないヒントについて講演した。
 医師でもあるアダムスさんは「全ての活動の原点だが、何より人が大好きだ。自分のためにもやっている。かつて無料で医療を提供する活動をしていたころ、初診に4時間かけていた。自分の時間を手放すことになったが、それは私の選択だった」と述べた。素晴らしいことをすれば、自分にも素晴らしいことが返ってくるという「カルマ」を信じていると述べた。
 さらに「自尊心を高めるためにも『自分はヒーロー(英雄)だ』という思いは大事だ」とし、会場内に大声で「『私はヒーローだ』と叫ぼう」と呼び掛けた。中には立ち上がって叫ぶ来場者もいた。
 一方、講演会に先立ち、市民交流室で開かれたワークショップには、約190人が参加した。音楽に合わせ踊ったり、床にみんなでくっついて寝転び「人間カーペット」をつくったりした。ワークショップに参加した高島大樹さん(26)は「仕事が忙しくてイライラすることもあるが、それは自分の意図に外れているというサインと分かった。行動や考え方を変えるという話は参考になった」と語った。
 アダムスさんは病床にある人や紛争、災害などに巻き込まれた人たちを、道化師を装ってユーモアで励ます活動を世界各地で展開している。