科学者の素顔一堂に ノーベル受賞者の写真展


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 【恩納】ノーベル賞受賞者たちとその直筆のスケッチを一枚の写真に収めた世界巡回展「科学のスケッチ」が、恩納村の沖縄科学技術大学院大学(OIST、ジョナサン・ドーファン学長)で始まった。7月6日まで。入場無料。

 ドイツの写真家フォルカー・シュテーガーさん(45)が企画した作品群で、ノーベル賞受賞者に自らの発見を紙に描いてもらい、それを本人と一緒に撮影した。人形などを描き空想的な柔らかなタッチの絵や幾何学的な図を用いたもの、文字だけで表現したものなど多彩な作品がそろっている。取材時の音声や映像も公開されている。
 2012年6月にスウェーデンのノーベル博物館で開催以降、各地で実施され日本国内では今回が初めての開催。全作品の中から約50点を選び展示している。
 13日にオープンニングセレモニーが開かれ、多くの関係者が駆け付けた。ノーベル博物館のオロブ・アメリン館長やティム・ハント博士(2001年ノーベル生理学・医学賞受賞)らがあいさつに立ち「受賞者らの笑顔は素晴らしい発見をした結果だ」「各分野のヒーローたちに刺激を受けることは重要なことだ」などと巡回展の意義を訴えた。シュテーガーさんは「受賞者らは突然の取材にもかかわらず、自己表現の過程を楽しんでいた。科学の素晴らしさに触れてほしい」と来場を呼び掛けた。

ノーベル賞受賞者らが被写体となった世界巡回展=13日、恩納村の沖縄科学技術大学院大学
撮影者のドイツ人写真家フォルカー・シュテーガーさん