那覇市牧志の「那覇タワー」を所有するイントランス(東京都、麻生正紀社長)は20日、那覇タワーの土地と建物の売買契約を締結したと発表した。関係者によると、売却先は九州地区で複数のホテルなどを運営するホテル業者。7月2日に引き渡し予定で、売却額は明らかにしていない。
2008年に前所有者の不動産関連会社のゼファーが民事再生手続きを申し立て、イントランスが11年に那覇タワーの土地と建物を購入。転売や再開発の可能性を探っていた。今後、建物は取り壊される予定。
隣接する沖縄三越も閉店で跡地の再開発が予定されており、今後、隣接する那覇タワーと一体開発される可能性もある。
那覇タワーは、沖縄国際海洋博覧会のパビリオン「沖縄館」や那覇市民会館を手掛けた金城信吉氏が設計し、1973年に完成した。地下2階から19階のタワー部分と地下2階から7階部分の二つの建物で構成され、マキシーショッピングセンターやファッションビル「コムディ」など商業施設として利用された。
沖縄三越とともに国際通りの象徴的存在だった。06年からは沖縄三越が沖縄そば博物館などを店舗展開していたが、08年以降は空きビルとなっていた。