ムスリム観光客誘致へ 県、土産品開発など支援


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 県は、イスラム圏からの観光客の誘致に向けた取り組みを本格化する。6月にも産官学の有識者でつくる「ムスリム(イスラム教徒)観光客受け入れ検討委員会」を設立。本年度は課題検証など調査研究を進めるほか、ガイドブックの作製も検討する。

来年度以降、ムスリム向けの土産品開発支援や、イスラム教の戒律に従って調理・加工された「ハラール」認証などの支援を本格的に展開する計画だ。
 支援事業は「外国人観光客受け入れ体制構築サポート事業」の一環で、2016年度までの3カ年事業を予定。本年度の事業費は1千万円。
 検討委員会は、ムスリム受け入れ先進地・北海道の取り組みや、沖縄ツーリストがムスリム観光客に実施した満足度アンケートなどを参考に、沖縄の課題を検証する。来年度以降、県内観光関連業者のムスリム受け入れ整備を支援する方針だ。支援内容は食品表記に関する情報提供や礼拝場の導入、ムスリム向けの土産品開発などが想定される。
 昨年、政府が東南アジア諸国に対する査証(ビザ)の発給要件を緩和したことや、県が3月にシンガポールのチャンギ空港グループと連携協定を結んだことなどから、今後県へのムスリム観光客が増加すると見込まれる。
 県文化観光スポーツ部の担当者は「ムスリム観光客の満足度向上を図り、受け入れ体制をしっかり整備していきたい」と話した。
(呉俐君)