「ちゃーがんじゅー、みんなで」 長寿復活へ始動、キックオフイベント


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「いちまでぃんちゃーがんじゅー!」の声を上げる「とりもどそう!健康長寿おきなわ」キックオフイベントの関係者ら=22日午後、那覇市奥武山の県立武道館アリーナ棟

 健康長寿復活に向けたキックオフイベント「とりもどそう!健康長寿おきなわ」(県主催)が22日、那覇市の県立武道館アリーナ棟で開かれた。800人を超える参加者が集まった。健康づくりに関する講演やパネルディスカッションでは県民の深刻な健康状態が指摘され、個人ができる対策が示された。

先月発足した「健康長寿おきなわ復活県民会議」が県民宣言を読み上げ、2040年までに男女とも平均寿命首位奪回の長期目標に向け、健康意識向上を県民に呼び掛けた。
 基調講演で曙クリニック院長の玉井修氏は、沖縄の県民性に触れ、「自分は健康だと認識している人が多い」と指摘。糖尿病を例に、初期段階の外来受診率は全国で最も低い一方、病状悪化で人工透析に至る人数は人口比で全国4位とのデータを紹介した。その上で「早期治療で悪化を防げる」と強調した。
 パネルディスカッションでは県民会議が行動指針に挙げている肥満解消、適正飲酒、がん検診に関し、各専門家が講演した。
 県民会議構成団体代表者らは、川上好久副知事を中心に「いちまでぃんちゃーがんじゅー県民宣言」を読み上げ、官民一体となった健康づくりなどに取り組むことを誓った。県婦人連合会の平良菊会長は「私たちも健康に関し甘えていたところがあった。情報発信しながら、今後の取り組みを考えたい」と語った。
 夫婦で参加した安里一三(かずみ)さん(81)=北中城村=は「酒の話は耳が痛かった。健康は人生を楽しむための手段だと思うので、できることから取り組みたい」と話した。
 今後、長期目標達成に向け、県が中心となって健康づくりに取り組みやすい環境整備をするほか、経済団体など71団体で構成される県民会議が、県民の健康意識の醸成を図っていく。